脱毛サロンを経営していると、さまざまなトラブルに遭遇します。適切に対処しないと、店舗の評判に影響を与える可能性があります。ここでは、脱毛サロンでよくあるトラブルを紹介するとともに、トラブルが発生した際の対処法や、予防する方法について解説します。

脱毛サロン経営でよくあるトラブル

脱毛サロン経営において、以下のようなトラブルが発生しやすいとされています。

【よくあるトラブル】

• 施術による肌トラブル
• 料金や契約内容に関するトラブル
• 事前準備に関するトラブル
• 効果に関するトラブル
• 予約に関するトラブル
• 勧誘に関するトラブル

ここでは、これらのトラブルについて解説します。

施術による肌トラブル

よくあるトラブルのひとつとして、施術に伴う肌トラブルがあげられます。脱毛サロンの多くは、黒色に反応する光を照射し、その熱で毛根を弱らせる光脱毛を採用しています。照射出力が高かったり、日焼けしている箇所に照射したりすると、やけどやかゆみなどの肌トラブルを引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

施術に伴う肌トラブルは、スタッフの教育、丁寧なカウンセリング、施術前後の適切なケアにより予防できることがあります。

料金や契約内容に関するトラブル

料金や契約内容に関するトラブルも、脱毛サロンとお客様の間で起こることがあります。よくあるトラブルとして、以下のものがあげられます。

【料金・契約に関するよくあるトラブル】

• 事前に聞いていた料金と請求金額が異なる
• 聞いていなかった追加料金（オプション料金）が発生している
• 有効期限に関する説明を受けていない

脱毛サロンには、都度払い、回数制など複数の支払い方法があります。また、メニューやコースの内容もさまざまです。お客様にとって、わかりにくいと感じることが少なくありません。この点を理解し、契約前に説明を徹底することや、説明内容を後で確認できるようにすることが大切です。

事前準備に関するトラブル

事前準備に関するトラブルが発生することもあります。光脱毛は、施術の前にムダ毛の処理が求められます。ムダ毛が残っていると、光が反応してやけどを引き起こしたり、期待している効果を得られなかったりする恐れがあります。

これらのトラブルを考慮し、ムダ毛処理を忘れたお客様には施術を行わない脱毛サロンもあります。具体的な対応は店舗で異なりますが、売上や施術時間にも影響を与えるため、注意が必要なトラブルといえるでしょう。

効果に関するトラブル

効果に関するトラブルも、脱毛サロンとお客様の間で起こりやすいといえます。主な原因は、効果を実感する時期に対する認識の違いです。光脱毛の場合、自己処理が不要になるまでには基本的に10回以上の施術が必要ですが、お客様の中には1回の施術で自己処理が不要になると考えている方がいます。事前の説明で認識のズレを解消できないと、効果に関するトラブルにつながってしまいます。

また、照射漏れによるトラブルにも注意が必要です。光が照射されないと、ムダ毛に効果が及びません。これらのトラブルを防ぐために、事前の説明や施術を丁寧に行うことが重要です。

予約に関するトラブル

お客様から「希望する日時に予約が取れない」などのご指摘を受けることがあります。脱毛サロンの施術には、一定の時間がかかるため、1日の予約枠には限りがあります。お客様が多いと、特定の曜日や時間帯に予約をとりにくくなることがあるでしょう。

回数券に有効期限を設けている場合などは十分な配慮が必要です。予約枠を拡大する、施術後に次回の枠を確保する、公式サイトから予約をとれるようにするなどの対処が必要と考えられます。

勧誘に関するトラブル

勧誘に関するトラブルにも十分な注意が必要です。お客様が希望していないにもかかわらず、高額なコースを提案したり、商品を販売したりしようとすると、ご指摘を受けることがあります。悪い口コミが広がると、集客に悪影響を及ぼす可能性があります。何かしらの提案を行う場合は、店舗の都合ではなく、お客様の都合を考慮することが重要です。

脱毛サロン経営でトラブルが発生した際の対処法

脱毛サロンを経営していると、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。ここからは、トラブルに対処する方法を解説します。

トラブルの内容について具体的に確認する

お客様から何かしらのご指摘を受けた場合は、話をしっかりと聞いてその内容を把握することが大切です。参考に、確認しておきたい主なポイントを紹介します。

【確認したいポイント】

• トラブルの経緯
• 現在の状況
• 店舗に対する要望

お客様の話を否定せず、まずは現在の感情を受け止めましょう。落ち着きを取り戻すまで、店舗の説明を聞き入れてくれないケースが多いためです。お客様の店舗に対する要望もしっかりと確認しておく必要があります。

具体的な対応を求めていることもあれば、単に話を聞いてほしい、謝罪をしてほしいと考えていることもあるためです。

サロン側に過失があるか判断する

お客様が返金などの具体的な対応を求めている場合は、状況を整理して脱毛サロン側の過失の有無を判断します。お客様の話を確認するだけでなく、これまでの記録などをさかのぼり、事実関係を正確に把握することが大切です。

また、過失の有無にかかわらず、誠実に対応することも欠かせません。店舗側に過失がある場合は、謝罪を行ったうえで、返金などの対応を検討しましょう。

弁護士に相談する

対応に悩む場合は、弁護士に相談することもできます。主なメリットは、法律に基づき対処できることと直接的な交渉を避けられることです。お客様の無理な要望は通りにくくなるでしょう。

過失の有無を判断できない場合や、お客様から補償を求められている場合、弁護士に相談するとよいかもしれません。ただし、一定の費用がかかるほか、お客様に驚かれる恐れがあります。これらの点も加味したうえで対応を検討しましょう。

脱毛サロン経営のトラブルを予防する方法

脱毛サロンの経営で遭遇しやすいトラブルは、次の点を意識すると予防できる可能性があります。

施術前に必要事項を正しく伝える

お客様との間で起こるトラブルは、認識の違いにより生じることが多くあります。例えば、お客様が店舗の想定よりも早く効果が現れると誤解している場合や、支払い方法の理解が不足している場合などが考えられます。

したがって、契約前や施術前の説明を徹底することで、トラブルを防げる可能性があります。事前に必要な情報をすべて伝え、お客様から同意を得ること（記録を残すこと）が大切です。契約を締結する際には、不利な情報を隠すような対応は避けましょう。

顧客目線の経営を行う

お客様の都合を無視して店舗の都合を優先すると、トラブルが起こりやすくなります。具体例として、お客様が望んでいない商品をしつこく提案する、オプション料金をはっきり説明しないまま施術を行うなどがあげられます。

これらの対応は、店舗の評判を損なう可能性があるため、注意が必要です。悪い口コミが広がると、新規のお客様から避けられる恐れがあります。トラブルを防ぎ、店舗の良い口コミを広げるためには、常に顧客目線で経営を行うことが重要です。お客様の利益が、最終的には店舗の利益につながります。

トラブルを防ぎつつ脱毛サロンを経営しましょう

脱毛サロンを経営していると、効果、予約、勧誘に関するトラブルなど、さまざまな問題が発生することがあります。状況を正確に把握して適切に対処するとともに、対策を講じて予防することが重要です。

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