妊娠中のお客様にフェイシャルエステを行うことは可能なのでしょうか。ここでは、妊娠中でも受けられる施術や、妊娠中は避けたほうがよい施術を紹介し、施術時の注意点についても解説します。妊娠中のお客様への対応で、お困りの方は参考にしてください。
妊娠中にフェイシャルエステを受けられる？
最初に結論を示すと、妊娠中であっても、フェイシャルエステの施術を受けられる場合があります。多くの場合、仰向けの姿勢で施術を行うため、お腹を圧迫するリスクが低いとされています。
ただし、妊娠していないときと全く同じ施術を行うことはできません。施術の内容は、お客様やお腹の赤ちゃんに負担をかけにくいものに限られます。
したがって、お客様の妊娠の有無を事前に確認できる仕組みを整えましょう。お客様やお腹の赤ちゃんに配慮した施術を提案しやすくするためです。例えば、施術中の姿勢に注意する、妊娠中でも受けられる施術を提案するなどが考えられます。理由を丁寧に説明し、お客様の協力をお願いすることが重要です。
妊娠中でも受けられる施術の内容
以下の施術は、妊娠中でも比較的安全に受けられるとされています。
【妊娠中でも受けられる施術】
- 毛穴洗浄
- パック
- フェイシャルマッサージ
- フェイシャルトリートメント
これらの施術について解説します。
毛穴洗浄
専用の器具などを使用して、毛穴の汚れにアプローチする施術です。毛穴の汚れの例としては、皮脂やメイク残りなどが挙げられます。丁寧にケアをしているつもりでも、知らないうちに毛穴が汚れてしまうことは少なくありません。
毛穴洗浄の方法として、酸の働きで古い角質を取り除き肌の新陳代謝を促すピーリング、専用の器具で毛穴の汚れを吸い出す毛穴吸引などがあげられます。ただし、体調や肌の状態などによっては、施術を行えないことがあります。
パック
エステ専用のパックを使用して肌をケアする施術です。自宅で使用するパックとは、配合されている成分やその割合が異なります。パックには、シート状、ジェル状、クリーム状などの種類があります。肌の悩みや肌の状態にあわせたパックを用いて、特別なケアを行える点が特徴といえます。
また、お客様の中には、パックの使い方がわからないと感じている方もいます。エステティシャンが専門的な知識と技術を駆使して施術を行う点も、アピールポイントといえます。
フェイシャルマッサージ
フェイシャルエステにおけるハンドマッサージです。美容マシンを使用しないため、妊娠中の方でも安心して利用しやすい施術とされています。
主な魅力は、お客様の年齢や肌の状態などを踏まえて、エステティシャンが個別性の高い施術を行えることです。技量の差が現れやすいため、競合他店との差別化を図るポイントになり得る施術です。血液やリンパの流れを促し、艶やかな肌を目指す施術です。
フェイシャルトリートメント
妊娠中の肌トラブルに対応したメニューです。施術内容はケースによって異なりますが、一般的には以下の流れで進むことが多いです。
【フェイシャルトリートメントの流れ】
- 毛穴洗浄
- ハンドマッサージ
- パック
肌の状態に合わせて、保湿などの集中的なケアを追加する場合もあります。お客様のお悩みにあわせて、適切な施術を提案することが重要です。
妊娠中は避けた方が良い施術の内容
妊娠中に避けたほうがよい施術として、以下の内容が挙げられます。
【避けるほうがよい施術】
- イオン導入マシン
- 超音波マシン
- アロマ
- レーザー脱毛
各施術について解説します。
イオン導入マシン
肌に微弱な電流を流し、美容成分の浸透を図る施術です。肌の浅い部分に微弱な電流が流れても妊娠に影響はないと考えられていますが、万が一のリスクを考慮して、多くのエステサロンでは妊娠中の施術を控えています。
大切な赤ちゃんへの影響を考慮し、施術を控える判断がされているといえます。
超音波マシン
超音波による微細な振動を利用し、肌の汚れを浮き上がらせたり、肌をマッサージしたり、内側を温めたりする施術です。妊娠中は超音波マシンの使用も控えるほうがよいと考えられています。
お腹の赤ちゃんに影響を与える可能性が懸念されているためです。超音波マシンも、万が一に備えて妊娠中の施術は控えるほうがよいでしょう。
アロマ
妊娠中は、アロマを用いたフェイシャルエステも控えるほうがよいと考えられています。エストロゲンと似た働きを持つ芳香成分を含むものがあるためです。また、アロマには副交感神経を優位にする働きもあると考えられています。
科学的根拠は十分に示されていないものの、これらの働きによって子宮の収縮を促す可能性が指摘されています。したがって、妊娠中の施術は、控えるほうがよいと考えられているのです。
レーザー脱毛
妊娠中は、レーザー脱毛の施術も控えるほうがよいでしょう。ホルモンバランスの変化で肌が乾燥しやすくなるためです。施術によって肌トラブルのリスクが高まる可能性があります。
同様に、ホルモンバランスの変化で、毛周期も乱れることがあります。毛周期が乱れると、適切なタイミングで施術を行えないため、期待した効果を実感しにくくなります。
お腹の赤ちゃんに影響を与えることはありませんが、これらのトラブルが予想されるため、施術は慎重に行わなければなりません。
妊娠中にフェイシャルエステを行う際の注意点
妊娠中のお客様に、フェイシャルエステを行う際は以下の点に注意が必要です。
かかりつけの医師に相談する
妊娠中のお客様がフェイシャルエステを希望する場合は、施術内容を説明し、かかりつけ医に相談してもらうことをお勧めします。お客様がすべてのリスクを十分に把握しているとは限らないためです。何かしらの理由で、施術を受けないほうがよいことも考えられます。
事前に相談を受けることで、想定外のトラブルを未然に防ぎやすくなります。また、お客様の不安も軽減できるでしょう。
施術を行うタイミングを見極める
妊娠週数を確認し、施術を行う適切なタイミングを見極めることが大切です。一般的に、妊娠初期はつわりで体調がすぐれないことが多く、妊娠後期はお腹が大きくなることから、施術を控えることが一般的に推奨されています。
フェイシャルエステであれば、お腹の大きさは問題にならないかもしれませんが、注意が必要なポイントです。お客様から施術を行うタイミングを相談された場合は、体調が安定しやすいとされる妊娠中期を提案するのが適切です。
ただし、妊娠中期であっても、妊娠前と比べて、肌や体がデリケートな状態になっていることを考慮する必要があります。お客様と相談しながら施術を行う必要があります。
体調が優れない場合はすぐに伝える
ホルモンバランスの影響などで、妊娠中は体調を崩しやすいとされています。施術中に気分が悪くなるお客様もいらっしゃるでしょう。このようなトラブルに備えて、体調の変化があればすぐに伝えてもらうよう促すことも重要です。
お客様が体調を崩した場合は、休憩してから施術を継続したり、別の日程に振り替える対応を検討したりすることが考えられます。施術の前に、これらについて説明しておくと、体調の変化を伝えやすくなるかもしれません。
妊娠中のフェイシャルエステはお客様と相談しつつ行いましょう
妊娠中でもフェイシャルエステを受けることは可能ですが、超音波マシンやレーザーマシンを使用した施術など、一部の施術は控えることが推奨されます。もちろん、お体の状態にも十分な配慮が必要です。お客様と十分に相談した上で、施術内容を決定しましょう。
フェイシャルエステのメニューを充実させたい場合は、脱毛モードに加え、光フェイシャル機能やバストケア機能を搭載した『epi MOVE®』の導入をご検討ください。
プローブの付け替え不要で、すべての施術を行えます。お客様に多様な選択肢を提供したい場合や、他店との差別化を目指す場合に適しています。詳しい製品情報は、以下のページでご確認ください。
